ナミとロビンと私の女3人、部屋でのんびりお喋り中。そんな中、料理人であるサンジが飲み物とお菓子を持って来てくれた。楽しい会話に美味しい食べ物、これって最高よね!
・・・・・・とも言い切れない。少なくとも、私にとっては。
「ナミさーん、ロビンちゃーん、ー!!」
「あら、サンジくん。それは?」
「はいっ、ナミさん!これは3人のためだけに作った・・・・・・。」
サンジが説明しかけると、遠くで船長であるルフィの声がする。
「おい、何かいい匂いがすんぞ〜!」
「おめぇらの分は、キッチンにある!!」
それにサンジが大声で答えると、すぐさま笑顔で、またこちらを向く。
「麗しい女性3人のお話が、さらに盛り上がれば、と思いまして。」
「あら、気が利くのね。」
「いえいえ。」
そう言って、サンジはロビンにデレデレとする。
・・・・・・。
「本当に気が利くのなら、早く出て行ってよ。私たち、3人で楽しく喋ってるんだから。男は邪魔。」
「そう言うなよ、。」
「いいから。女の子だけで喋りたいこともあんの。ほら、早く。」
「はいはい・・・・・・。それじゃ、また後ほど。」
私の言葉も意に介さず、嬉しそうに微笑んで、サンジは出て行った。
「全く・・・・・・。」
「?」
「何だか不機嫌のようね。」
「・・・・・・だって。」
「嫉妬、なんでしょ?」
「でしょうね。」
ムスッとした表情の私とは対照的に、ナミとロビンは楽しそうに笑っている。
「・・・・・・悪い?」
「悪くないわよ。だって、サンジくんはのものなんだから。」
「べ、別に私のものってわけじゃないけど・・・・・・!!」
そう、決して私のものというわけではない。だけど、サンジは私の彼氏。だから、私だけじゃなくて、相変わらず、ナミやロビンにデレデレしているところを見ると嫌な気持ちにもなる。
・・・・・・そこがサンジの良いところでもあるんだろうけどさ!でも、はいそうですか、とは簡単に納得できない。
「ナミの言う通りね。だから、心配する必要なんて無いと思うけれど?」
「心配って言うか・・・・・・イライラするの。」
「まあ、それがサンジくんの狙いだと思うけど。」
「?・・・・・・どういう意味?」
「わからない?サンジくんは・・・・・・。」
「待って、ナミ。それは、本人の口から説明してもらった方がも信じるんじゃないかしら?」
「・・・・・・それもそうね。」
今度は何かを企んでいるかのように、2人は笑う。・・・・・・何なの?!
「そういえば、さっきサンジくんは、また来るって言ってたわね。だったら、はそこに隠れてて。」
「え?」
「いいから、ほら。」
ナミに言われ、ロビンにも背を押され、私は訳もわからずに、とりあえず机の陰に隠れた。
一体、何をするつもりなんだろう?そう思っていると、タイミングよく、サンジが現れた。
「皆さん、おかわりはー・・・・・・って、は?」
真っ先に私を探してくれたことには、素直に喜んでおく。だけど、まだ許したわけじゃないからね。
「さっき、サンジくんに冷たく当たりすぎた、って言って、頭を冷やしに出て行ったみたいだけど・・・・・・すれ違わなかった?」
「はい、見ませんでしたねー。」
「じゃあ、まだ会いたくなかったんでしょうね。」
「え・・・・・・。ロビンちゃん、それって・・・・・・。もしかして、のやつ、かなり怒ってました?」
「そうね。それが狙いなんでしょうけど、ちょっとやりすぎじゃないかしら?」
「狙い、ってことは、ロビンちゃんもナミさんも、俺の考えはわかってるんですね?」
「もちろん。でも、私たちからに説明してほしくはないでしょ?・・・・・・と言っても、さっきロビンに止められなかったら、私が話してたけど。」
「えぇ?!話したんですか、ナミさん?!」
ナミの言葉にサンジはやけに焦っている。
何をそんなに慌ててるのよ。やっぱり、何かやましいことがあるんじゃ・・・・・・。
「だから、言ったでしょ。ロビンに止められた、って。」
「あ、あぁ。そうでした・・・・・・。」
「そんなに言われたくないのかしら?」
「そりゃ、そうですよ。説明したら、のやつ、あんな態度取らなくなるでしょ?」
「でも、を怒らせたままでいいの?」
「それは困りますけど・・・・・・。あぁー、説明しても、が嫉妬してくれりゃあ、いいんですけどねー。」
・・・・・・え?
何か、サンジがおかしなことを言い始めた。
「のああいう反応見てると、本当愛されてるなーって思えるし、何よりすげぇ可愛いんで、あんまり止めさせたくはないんですけどねー。」
「だからって、と喧嘩したままじゃ意味が無いじゃない。」
「ですよね。俺、ちゃんと説明して謝ってきます。」
「だそうよ、。」
「「えっ?」」
ロビンの言葉に、私とサンジが同時に驚いた声を上げる。
・・・・・・って、しまった!私が隠れてるってバレちゃう!!で、でも、ロビンも呼んだことだし・・・・・・。
そう考えて、私はおずおずとサンジたちの前に出た。
「?!」
「それじゃ、あとは2人で。」
「そうね、ロビン。」
ナミとロビンはにこやかに部屋を出て行った。そこに取り残された、私とサンジ。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
サンジは少し驚いた様子で、呆然としている。私は私で、何だか気まずくて、黙っている。
その沈黙を破ったのは、サンジだった。
「え〜っと、。もちろん、聞いてたよな・・・・・?」
「・・・・・・うん。」
「ってことは、俺の行動の意味、わかったんだよな?」
「うん。」
「じゃあ、もう怒ってない?」
「怒ってるに決まってるでしょ!」
「え・・・・・・。」
「要は、私で遊んでたんじゃない。ヒドイ!」
いくら可愛いとか言われたって悔しいものは悔しい!
そう思っていると、サンジがギュッと優しく私を抱き締めた。
「ゴメン・・・・・・。」
「・・・・・・ズルイ。そんな風に言われたら、もう何も言えないじゃない・・・・・・。」
「ゴメン。でも、が好きだからこそ、なんだ。わかってくれる?」
「・・・・・・わからない、って言ったら?」
「じゃあ、わかるまで・・・・・・。」
そう言ったかと思うと、サンジは私のおでこにチュッとキスをした。そして今度は鼻に、次は頬、それから唇、耳、首筋、鎖骨、・・・・・・って。
「ちょ、ちょ!ちょっと待った・・・・・・!!」
「何?」
サンジは笑顔で私を見上げる。・・・・・・くっ、わかってて、やってるわね!!
「ナ、ナミやロビンが帰ってきたらどうするの・・・・・・!」
「・・・・・・わかった。じゃあ、また後で。」
「え?」
「夜、キッチンで待ってるから。そこで証明する。」
なんて言い残して、サンジは嬉しそうに立ち去った。・・・・・・どうやって証明する気なのよ!!
とにかく、後で戻ってきたナミとロビンには、何とか誤魔化しつつ、仲直りできたことだけを伝えた。
でも、その夜・・・・・・。
「あれ、。どこ行くの?」
「あ、え〜っと・・・・・。昼のことでサンジからお詫びに、ってキッチンに呼び出されたの。な、何か作ってくれるのかな〜。」
「へぇ〜、そう。」
ナミとロビンが2人で顔を見合わせ、私に笑顔を向ける。
「何を料理してくれるのかしらね?」
「何にせよ、せっかくの2人の時間なんだから、鍵は閉めておきなさいよ?」
う・・・・・・。何だか、2人の顔がニヤニヤとしている・・・・・・。ぜ、絶対変に勘繰られてるー!!・・・・・・いや、変でもないかもしれないけど。
その後、サンジが何を料理し、何が食べられたのかは・・・・・・聞かないでおいて・・・・・・。
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まさかの微エロ風エンド!(笑)そんなことを書くつもりはなかったんですけど、書いてたら、こうなりました★(←)
いやぁ〜、私としては今回、女性好きのサンジさんと付き合ったら大変だろうな、ということが書きたかったんです。なので、結末とか考えず、とにかく「苦労はするんだけど、それ以上に愛されているんだ」というような話を書いてたんですけどねー(笑)。
今回、この話を書こうと思ったきっかけは、以前、友人と「『ONE PIECE』で付き合うなら誰?結婚するなら?」みたいな話をして。サンジさんは付き合うと心配だろうな、と・・・(笑)。でも、こういう感じで、半ばわざとやってた、なら、いいかな〜と思い、書きました♪・・・本当、それがなぜ微エロに・・・(汗)。
('12/03/02)